2021年8月23日(月)
北海道中央バス(株)シィービーツアーズカンパニーが開催するバスツアー「縄文旅 蝦夷コース(2021年7月30日(金)〜31日(土)1泊2日の旅)」に参加しました。今回の記事は総集編として全体をとりまとめています。
※ 9月7日(火)、各遺跡等の全11記事のアップが完了しました。リンクを設定していますので、併せてご参照ください
- 1 世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺産群」
- 2 バスツアー「縄文旅 蝦夷コース」
- 3 バスツアー「縄文旅 蝦夷コース」記事・総集編1日目
- 4 バスツアー「縄文旅 蝦夷コース」記事・総集編2日目
- 5 その他の写真
- 6 関連カテゴリー
世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺産群」
今回は、北海道と東北3県(青森県・秋田県・岩手県)の17遺跡で構成される縄文遺跡郡が世界文化遺産として登録されました。北海道における世界文化遺産としては、初めての登録となります。
縄文文化の特徴
- 今から15,000年ほど前から、日本列島に始まった縄文時代は、自然と共存しながら、貧富の差もなく争いのない平和な時代が1万年以上も続いた時代
- 高度な技術による土器の誕生により、煮炊きや貯蔵が可能となり安定した定住生活が続く
- 信仰や祭祀にまつわる土偶は、豊穣や子孫繁栄の祈りの象徴とされ、精神性の高い文化が形成されていた
- 人体の骨から、病気の人を看病していた形跡が見られ、人々が皆で支え合い協力し合って暮らしていた
- 北海道・北東北遺跡における縄文時代は、狩猟、漁労、採集(栗の品種改良含む)による生活で、「米」を栽培する水田稲作が開始された弥生文化の農耕とは大きく異なる。稲作が行われていなかった地域が、北海道・北東北遺跡群のみに顕著に現れていることから、世界文化遺産登録の要因となる
北海道・北東北の縄文遺跡群ロゴマーク
縄文土器の形を成し、上部は北海道、中央の渦巻は津軽海峡、下部が北東北を表す。色合いは、縄文時代の漆器や土器のイメージする赤褐色。
バスツアー「縄文旅 蝦夷コース」
今年7月27日(月)に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺産群」の北海道の6遺跡を巡るバスコースです。
北海道遺跡は、垣ノ島遺跡(かきのしまいせき・函館市)、北黄金貝塚(きたこがねかいづか・伊達市)、大船遺跡(おおふねいせき・函館市)、入江貝塚(いりえかいづか・洞爺湖町)、キウス周堤墓群(きうすしゅうていぼぐん・千歳市)、高砂貝塚(たかさごかいづか・洞爺湖町)の6か所。さらに、関連資産として鷲ノ木遺跡(わしのきいせき・森町)があります。
今回のツアーは、阿部明義氏(公益財団法人北海道埋蔵文化センター 主査)がナビゲーターとして同行され、縄文遺跡・文化について様々な視点からお話を伺うことができました。
北海道6遺跡の要点
- キウス周堤墓群(千歳市):高い土手で囲まれた広域な集団墓地群
- 北黄金貝塚(伊達市):噴火湾に面し小高い丘に位置する、大規模な貝塚を伴う集落跡
- 入江貝塚(洞爺湖町):縄文の前半から後半にかけての遺跡群で、内浦湾を望む段丘上に立地する、竪穴建築や貝塚の集落跡。難病者を介護したことを示す人骨、多様で精巧な骨角器・貝製品が出土
- 高砂貝塚(洞爺湖町):入江貝塚に連続した遺跡群で縄文の晩期主体の貝塚を伴う共同墓地
- 垣ノ島遺跡(函館市):中期主体の国内最大級のコの字状の盛土遺構があり、居住域と集団墓地の分離を示す集落跡
- 大船遺跡(函館市):100棟以上の大型の竪穴建物(長さ10m、深さ2.4m)跡群が存在。祭祀(さいし)場が発達した拠点集落跡
バスツアー「縄文旅 蝦夷コース」日程
1日目
- 札幌ターミナル 朝8時30分発
- 千歳市埋蔵文化財センター(千歳市)
- キウス周堤墓群(千歳市)
- わかさいも登別東店にて昼食(登別市)
- 北黄金貝塚(伊達市)
- 入江・高砂貝塚館(洞爺湖町)
- 鷲ノ木遺跡(森町)の下を通過
- ロイヤルホテルみなみ北海道鹿部(鹿部町)に宿泊
2日目
- 函館市縄文文化交流センター(函館市)
- 垣ノ島遺跡(函館市)
- 大船遺跡(函館市)
- 道の駅しかべ間欠泉公園にて昼食(鹿部町)
- 札幌ターミナル 18時着
バスツアー「縄文旅 蝦夷コース」記事・総集編1日目
北海道中央バス札幌ターミナル(札幌市)
北の縄文道民会議 事務局長・戎谷侑男(えびすたに ゆきお)さん
・北海道中央バス(株)観光事業推進本部副本部長 兼 シィービーツアーズカンパニー ディレクター、北の縄文道民会議 事務局長
「縄文人の皆様、おはようございます。1万年以上も長きに亘って待ちに待った世界文化遺産登録でございます(笑)。
今日のこのツアーは、奇跡のツアーです。世界文化遺産登録後の第1回目のツアーとなります。北海道は8月2日(月)から『まん延防止対策』により、旅行関係は、8月2日から8月末まで、一切開催できない旨の通達を受けています。
札幌市から外に出ることがままならない状況の中、7月30日(金)・31日(土)の今回のツアーは、実施可能なギリギリセーフの奇跡的な日程のツアーとなりました。
私は、北の縄文道民会議の事務局長を務めておりまして、縄文には14〜15年前から関わっております。縄文の旅においても8年くらい前から、取り組んでまいりました。当時は、なかなか脚光を浴びませんでしたが、今、ようやくこうして注目されるようになりました。
これまでは、まわりの人からは、『世界遺産になるわけないっしょ!』と、いつも言われていました。
7月27日(火)午後6時40分、登録決定の時は、道庁赤レンガの会議室にて鈴木知事と二十数名方々と一緒にお祝いいたしました。
今日は、公益財団法人北海道埋蔵文化センターの阿部明義先生に、ご一緒していただいております。
阿部先生は、『キウス周堤墓群』の神と言われている方です。キウス周堤墓について、深く関わりをお持ちの先生で、世界的にも有名な方です。それほど凄い先生が、2日間ツアーを皆様とご一緒し、それぞれの遺跡の主な解説をお願いしています。
さらに、現地では、それぞれの専門の方にお話を伺うことになっています。
今回のツアーは、世界文化に登録された北海道の縄文遺産6か所を回るツアーです。この2日間で、世界文化遺産となった縄文文化を、しっかりと学び、1万年の想いを皆様とご一緒に共有し、思う存分楽しんでいただければと思います。どうぞ宜しくお願いいたします」と、ご挨拶されました。
縄文ナビゲーター:阿部明義(あべ あきよし)先生
・公益財団法人 北海道埋蔵文化センター 主査
添乗員:小林裕明(こばやし ひろあき)さん
・北海道中央バス(株)観光事業推進本部シィービーツアーズカンパニー マネージャー)
観光バスガイド・ 今堀匡佐子(いまほり まさこ)さん
縄文旅 蝦夷コース資料
千歳市埋蔵文化財センター(千歳市)
2021年8月24日(火)埋蔵文化財センターは、旧長都(おさつ)小中学校の旧校舎をリニューアルした施設(2010年4月オープン)で、キウス周堤墓群のガイダンス施設となっています。千歳市埋蔵文化財センター・入り口[ca[…]
キウス周堤墓群(千歳市)
2021年8月25日(水)キウス周堤墓群(きうすしゅうていぼぐん)は、大型で周囲が環状の堤になっている墓の群集。1979年に、8基(4.9ha)の区域が国史跡に指定されました。2019年には、10.9haに史跡の範囲が広がっています[…]
昼食:わかさいも登別東店(登別市)
2021年8月26(木)登別温泉へと向かう道央自動車道・登別東インターチェンジ近くに位置する「わかさいも登別東店」。90年以上続く老舗菓子舗のおまんじゅう「わかさいも」は、北海道産「大福豆」の白あんと「きざみ昆布」使用した北[…]
北黄金貝塚情報センター(伊達市)
2021年8月27日(金)北黄金貝塚(きたこがねかいづか)は、縄文時代前期、内浦湾に面した集落遺跡。縄文の丘「北黄金貝塚」には、貝塚、墓、竪穴住居跡、水場遺構など多様な施設が点在しています。北黄金貝塚縄文の丘[…]
北黄金貝塚(伊達市)
入江・高砂貝塚館(洞爺湖町)
2021年8月30日(月)入江貝塚(いりえかいづか)、高砂貝塚(たかさごかいづか)は、洞爺湖町の噴火湾に望む高台にあり、縄文時代前期末〜晩期中葉の集落遺跡。入江貝塚入江貝塚からは、人骨が十九体も発見。きちんと埋葬され[…]
入江貝塚(洞爺湖町)
高砂貝塚(洞爺湖町)
鷲ノ木遺跡(森町)
高速道路にて、鷲ノ木遺跡(わしのきいせき)の下を通過しました。
宿泊:ロイヤルホテルみなみ北海道鹿部(鹿部町)
2021年8月31日(火)宿泊するホテルは、「ロイヤルホテルみなみ北海道鹿部」は、駒ケ岳山麓のリゾートホテル。ロイヤルホテルみなみ北海道鹿部[caption width="2000" align="aligncent[…]
バスツアー「縄文旅 蝦夷コース」記事・総集編2日目
函館市縄文文化交流センター(函館市)
2021年9月1日(水)函館市臼尻町に位置し、2011年オープンした「函館市縄文文化交流センター」。「道の駅 縄文ロマン南かやべ」が併設されています。函館市縄文文化交流センター・入口[caption width="2[…]
垣ノ島遺跡(函館市)
2021年9月2日(木)垣ノ島川沿岸の標高32~50メートルの海岸段丘上に立地し、太平洋に面し、後背地には、落葉広葉樹の森が広がる「垣ノ島遺跡(かきのしまいせき)」。北海道縄文遺跡の世界遺産登録日の翌日、2021年7月28日に一般公[…]
大船遺跡(函館市)
2021年9月3日(金)垣ノ島遺跡から5kmほど北西に位置し、太平洋を見下ろす丘の上にある「大船遺跡(おおふねいせき)」。大船遺跡・案内板[caption width="2000" align="aligncente[…]
昼食:道の駅しかべ間欠泉公園(鹿部町)
2021年9月6日(月)道の駅しかべ間歇泉公園(かんけつせんこうえん)にてバスツアー・ランチタイム。浜のかあさん食堂の「プレミアムたらこ御膳」をいただきました。道の駅しかべ間歇泉公園[caption width="2[…]
間欠泉公園
阿部明義 先生のお話
2021年9月7日(火)世界文化遺産登録・北海道縄文文化のバスツアーの旅「縄文旅 蝦夷コース」スケジュールをすべて完了。北海道中央バス(株)シィービーツアーズカンパニーの企画・主催バスツアーです。札幌ターミナルへと向かうバス[…]
札幌ターミナル:18時着
戦争の無い平和な時代が1万年以上も続いた縄文文化、そんな様々な縄文遺跡をその場で観察し、風景を感じ取ることのできる旅。。。
自然と共存し、生きとし生けるすべての命を尊重し感謝する、高い精神性を秘めた縄文文化に、なんとなく寄り添うことができたように思える素敵な旅に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。
その他の写真
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