2020年9月21日(月)
祭道楽絵師・綾部好男(あやべ よしお)先生が描く墨絵『昇竜』を北竜町に寄贈!
この度、祭道楽絵師・綾部好男 先生の描いた墨絵『昇竜』が、「疫病退散! 北竜町の発展 昇竜の如く」との想いをこめて、9月15日(火)に北竜町に寄贈されました。
墨絵『昇竜』疫病退散!北竜町の発展 昇竜の如く
恩師である綾部好男 先生(79歳)は、私達の中学時代の美術の先生。当時、昇さんは6人制の「バレーボール部」に所属、顧問・監督は綾部先生。鬼監督の綾部先生から、徹底的にしごかれました。
大國魂神社例大祭「くらやみ祭」を描く綾部好男先生
綾部先生は、東京都府中市・大國魂神社例大祭「くらやみ祭」を50年以上今でも描き続けていらっしゃいます。
寄贈のきっかけ
3年前の2017年に、府中市立府中第五中学校(東京都府中市)時代の同級生5名と恩師・綾部先生が、北海道旅行で来道し、北竜町を訪れてくださいました。
その後、昇さんが、綾部先生のホームページを作成するなど、現在でも交流が続けられています。
ある日の電話での会話で、私達の移住10周年の祝賀会を北竜町の有志の方々が開催してくださったことをお話したところ、「北竜町は、素晴らしい町だ!」と大変感動されました。
「コロナ禍のこの時代、疫病退散と北竜町の発展を祈願して、墨絵で描いた『昇竜』を町に寄贈したい」というなんともありがたいお言葉をいただきました。
貴重な画材
埼玉県小川町産手漉き和紙・墨・硯は、それぞれ100年程前の貴重な画材です。
手漉き和紙
墨絵に使用されている和紙は、綾部先生の祭仲間の表具師の方が提供してくださった和紙。
埼玉県小川町産手漉き和紙でおよそ100年くらい前の貴重な和紙だそうです。
乾隆御墨・坑端渓硯
使われている墨は「乾隆御墨(けんりゅうぎょぼく)」、硯は「坑端渓硯(こうたんけい)」。どちらも中国の年代物です。墨に膠(にかわ)を混ぜて描かれました。
表装
コロナ禍で、表具店閉店に追い込まれ、在庫の和紙を手放すことになり、「絵画作成に少しでも役立てば」と、若い頃からの祭仲間の表具師の方が綾部先生に贈られた手漉き和紙。
何度も作成中のアトリエを訪れ、裏打ちの仕方、板張り、糊の溶き方など様々な事を教えてくださったそうです。
8月の暑い最中に10日間程、冷房の無いアトリエにこもって一心不乱に描き続けた綾部先生の『昇竜』の墨絵です。
コロナ禍の中で、疫病退散を『昇竜』に託し、北竜町の発展、さらに日本の元気な復活を祈願した熱い想いみなぎる魂の波動が、強烈に伝わってくるような素晴らしい墨絵です。
竜は先生自称「北のアヤベ竜」で雄の白竜。爪は4本。中国では、古代より現代まで、5本爪が皇帝のシンボル「権威の象徴」とされ、日本では3本爪が定着。
今回の昇竜・アヤベ竜は、独自の4本爪で描かれたとのこと。4本爪でコロナウイルスをしっかりと掴み、多数の強力な稲妻で疫病を撃退していくという深い意味が込められているそうです。
『昇竜』の絵の裏書きの先生のお言葉
一天 四海生死不二
白丁安寧 疫病退散
北竜町発展如昇竜
天はひとつ。
四海(世界)は、海・水がなければ生きていけず、生と死が繰り返される輪廻転生の世界。
天(神)の前では、富める者も貧しい者もなく、貴族・平民もなく、すべて白(色がない)で平等である。
多くの人々が幸に生きる願いをこめて
丁寧に裏打ちされた墨絵を、旭川市の表具専門店「橋本表具店」にて、表装していただき、北竜町(佐野豊町長)へ寄贈させていただきました。
墨絵『昇竜』は、北竜町・佐野豊 町長のご配慮から、サンフラワーパーク北竜温泉・温泉の受付正面の壁に展示していただきました。
左に、インドネシアろうけつ染め(バティック)『ひまわり(作 麻生クミ 氏・バリ島在住)』、右に『昇竜』と北竜町の2大シンボルが揃うパワースポットとなりました。
言葉にならないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
綾部先生のこの上なく有り難くも熱い魂、そして見事な墨絵『昇竜』に、大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。
綾部好男 先生 プロフィール
第50回プシケ展にて(撮影:2017年9月16日) |
いにしえを明日に伝える
古代の歴史的文化が染みこんでいる武蔵府中 大國魂神社例大祭「くらやみ祭」に魅せられて50年!
祭を絵に描いて参加
六張の大太鼓と八基の神輿がその勇壮さを競う
昔は武蔵国・国府祭とも呼ばれた「くらやみ祭」
血湧き肉躍る祭の世界が面白い!マイホームタウンを描く
綾部 好男(あやべ・よしお・Yoshio Ayabe)
【略年譜】
1941(昭和16)・東京都府中市に生まれる
1958(昭和33)17歳:張替真宏に油絵の手ほどきを受ける
1961(昭和36)20歳:東京藝術大学油画科入学、林武先生・牛島憲之先生に師事する
1963(昭和38)22歳:木版画を大倉半兵衛・女屋勘左衛門に、銅版画を駒井哲郎に学ぶ
〜1964(昭和39)
1965(昭和40)24歳:府中美術会発足に加わる
・東京藝術大学油画科油絵専攻(牛島憲之教室)卒業
1966(昭和41)25歳:グループ・プシケ展(資生堂ギャラリー、シロタ画廊・銀座)同人~現在
1967(昭和42)26歳:東京都府中市立府中第三中学校の美術教諭となる
(以降、府中五中、一中、七中、二中にて定年まで指導)
1972(昭和47)31歳:ウィーン美術大学他ヨーロッパ研修
・この頃より本格的にライフワークとして「くらやみ祭」を描きはじめる
1972(昭和47)31歳:行動美術協会展出品
〜1978(昭和53)
1972(昭和47)31歳:個展(銀座ヤマト画廊他5回)
〜1985(昭和60)
1986(昭和61)45歳:ヨーロッパ研修
~1987(昭和62)
1988(昭和63)47歳:『暗闇祭・木版画集』刊行
1989(平成元)48歳:日本中国交流美術展大賞受賞(於:世田谷美術館)
1991(平成3)50歳:三軌会展受賞作家展(アートホール・銀座)
1998(平成10)57歳:『くらやみ祭』刊行(文:猿渡盛文、絵:綾部好男)光村教育図書
2003(平成15)62歳:日韓国際絵画交流展(横浜市民ギャラリー、ソウルプレスセンターギャラリー)
~2011(平成23)
2005(平成17)64歳:新潟市大淵・曹洞宗東陽寺襖絵制作
・油絵「くらやみ祭」ポストカード製作(府中市観光協会)
2008(平成20)67歳:「府中千年」展(於:府中市美術館)
・ゆかいな木版画「版画の府中」展(府中市美術館)
2011(平成23)70歳:日本韓国洋画5人展招待出展(於:ソウル市仁寺洞 Dansung ギャラリー・ソウル市 Artist ギャラリー)
2012(平成24)71歳:ふるさと府中歴史館に「くらやみ祭」を描いた墨彩画30点を寄贈(2017年までに、ふるさと府中歴史館に合計約40点の作品を寄贈)
以降、例年春季に開催される府中市立ふるさと館府中歴史館の「くらやみ祭展」にて祭を描いた絵画を展示
2013(平成25)72歳:「くらやみ祭」展(府中市ふるさと府中歴史館)
~2017(平成29)
2017(平成29)76歳:第5回個展(銀座ギャラリームサシ)
・第50回グループ・プシケ展(銀座シロタ画廊)
2018(平成30)77歳:個展(ギャルリさわらび)
・くらやみ祭展「祭を支える人々」(府中市ふるさと歴史館)
・第51回プシケ展(銀座シロタ画廊)
2019(平成31)78歳:関東三つの国府祭を描く 綾部好男展(銀座ギャラリー・ムサシ)
【作品収蔵】
大國魂神社、国立・多摩文化資料室、JRA東京競馬場、府中市、品川区・荏原神社、曹洞宗高安寺、マサチューセッツ州ハーバード大学ライシャワー日本研究所 他
【所属】
グループ・プシケ展同人
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・画面に躍動する祭衆の情念と熱気『月刊美術 2017年4月号』(2017年4月)
・くらやみ祭を描く祭道楽絵師・綾部好男先生が唄う「府中小唄」(2017年6月)
・芸大卒の綾部好男先生が唄うチャカホイ節(2017年6月)
【ホームページ】
・ホームページ くらやみ祭を描く祭道楽絵師 綾部好男 大國魂神社例大祭
くらやみ祭を描く綾部好男がお届けする血湧き肉踊る祭の世界!Yoshio Ayabe
・インスタグラム kurayami_matsuri
「事務局」
・担当:寺内昇&郁子
matsuri.fuchu@gmail.com
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・府中五中(東京都府中市)時代の恩師&同級生との北海道旅行2017(2017年6月27日)
☆ noboru & ikuko