2018年4月21日(土)
4月17日(火)〜22日(日)まで、札幌市資料館ミニギャラリーにて、麻生クミさんの「バティック展(インドネシアろうけつ染め)」が開催されています。
麻生クミさんの「バティック展」

スープカレーの田中さんの高田裕司のご紹介
麻生クミさんのお父様は、北竜町黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長(北竜町)のご長男である高田裕司さんの元勤務先の上司であり、裕司さんの結婚式のお仲人をしていただいた方とのことです。
高田裕司さんは、麻生クミさんのバティックのファンでもあり、裕司さんのお店「スープカレーの田中さん(札幌市白石区)」のお店には、作品が飾られています。

今回、ひまわりの絵柄のバティックを描かれたということで、高田さんからご紹介を受け、バティック展を訪問しました。
ひまわりをデザインして


クミさんバティックとの出逢い
札幌出身の麻生クミさん。現在はバリ島ウブドに在住し、バリの伝統工芸「バティックアーティスト」としてご活躍中。28歳の時に、はじめて観光でバリ島を訪れた際、ガイドさんが連れて行ってくれたお土産屋さんでバティックに出逢う。
染め物には関心がなかったが、当時、絵を描いていたので、自分の絵をこんな風に染められたらいいなぁと実感!それ以来、バティックに魅了され、バティクアーティストに!
バリの風を描く
バリ島の豊かな自然の中で生み出される作品の数々。デザインは、ゆったりと流れるバリ島の風をイメージして描かれています。「バリの風を感じた時、女性の横顔が浮かんできます」と、語ってくださったクミさん。

バティック作業の流れ
1.白い布に、鉛筆で下絵を書く
木蝋(漆科の木で、木の皮や実)を煮ると、油が浮いてきます。その油を固めてロウにしたもので、木蝋は和蝋燭に使われています。

2.木蝋を鍋に入れて熱して溶かす

3.溶かした液状のものを、チャン・チンですくう
チャン・チンには、太さが異なるペン先のようなものがついています。ペン先の太さによって、引き線の太さが変わってきます。

4.鉛筆で書いた輪郭線にチャンチンで蝋置きしていく
小さい布は1日、大きな布は3日間でロウ書きを仕上げていきます。ロウの部分が色止めの作用をし、留めた部分が白く残っていきます。

5.蝋の後は色付けの作業
色附けは筆で行います。筆は手づくりのもので、竹に綿を巻いて、色んな太さを作り、染み込ませながら色付けをしていきます。
色入れは1日で完了させます。染め粉を混ぜ合わせて色を作り、水で溶いて作ります。一晩経つと色が変化してしまいます。布が一日経って乾いてしまうと、色がなじまなくなってしまうので、布が濡れているうちに、色を付けていきます。
色はろうけつ染め用の化学染料で6色あります。その都度、6色の粉の中から選んで、オリジナルの色を作り出していきます。

6.天日干しの前に、一枚一枚定着剤を染み込ませて色落ちを防ぐ
定着剤は水飴のようなもので重く、絞り上げていくので、とても辛い作業です。

7.定着剤を染み込ませた後に、川で洗う
8.その後、煮沸。煮沸するとロウが溶けて、剥がれる

9.天日干しして完成!

「バティックは、インドネシアで古くから受け継がれている伝統工芸であり、バリ島の環境の中で生み出された独特の染め物なので、バリ島の湿度と温度が重要です。
蝋は生きもののように、環境によって変化します。デザインのイメージや染めは、バリに生活してこそ生み出せるものです」、素敵な笑顔でお話くださった麻生クミさんです。
数々の素敵な作品



ゆったりと流れるバリのしなやかな風の中で、
自然と共存する生命力のたくましさと優しさを同時に感じるような、
神秘的な麻生クミさんのバティックに出逢えたことに、
心からの感謝をこめて。。。
バリの稲の神様(地元の方々の手づくり)
麻生クミさんから、プレゼントしていただきました。ありがとうございます。

▶ 麻生クミさん「バティック展 2018」の写真(75枚)はこちら >>
関連サイト・記事
・麻生クミさんFacebookページ >>
・【Youtube】札幌人図鑑 麻生クミさん(2014年4月27日)
・【北竜町ポータル】スープカレーの田中さん(札幌市)のマスター・高田裕司さんは北竜町のご出身(2013年5月30日)
☆ noboru & ikuko
札幌市資料館
札幌市中央区大通西13丁目
Tel:011-251-0731
【営業時間】09:00〜19:00
【定休日】毎週月曜日・年末年始
【駐車場】 無し
【ホームページ】札幌市資料館