2018年4月17日(火)
様似町・坂下一幸 町長のベテランガイドのスタートです!

▶ 様似町・坂下町長のお話
今回、隣町3町(浦河町・様似町・えりも町)の全町長ガイドバスツアーが実現いたしました。自分の故郷を自信をもってガイドし、発信いたします。
今日は、アポイ山荘での宿泊となっておりますが、その前に、「アポイ岳ジオパークビジターセンター」を訪問します。「アポイ岳ジオパーク」は、2008年に日本ジオパークに認定され、さらに2015年には、ユネスコ世界ジオパークとして認定されました。
私は、血液型も体系もO型です。この時代、角の取れた人間が一人でもはいっていると、旅行も丸くなります。とうぞ、よろしくお願いします。

今、アポイ岳方向に進んでおります。浦河町・様似町・えりも町は、団子3兄弟と称して、漁業・農業も仲良くやっております。産業界は、まさに合併しているような状態で行っています。
様似町は、約4,400人で3町の中で一番少ない町です(浦河町12,000人、えりも町4,700人)。
今はまだ見えておりませんが、時期を迎える頃に、海岸線の磯場は真っ黒な状態になります。それは「寒風ふのり」です。今年は少し採取時期が遅れているようですが、3月には旬を迎えます。この周辺は素晴らしい海藻が採れる地域です。
様似町の「様似山道(さまにさんどう)」、えりも町の「猿留山道(さるるさんどう)」が、2月13日に国指定史跡になりました。北海道で山道が登録されたのは初めてです。今後、両町の連携を進めながら、楽しいツアーを組んで参りたいと思います。
これから、幌満地区に入ります。幌満川下流に事業所を持つ東邦オリビン工業(株)は、様似町幌満に賦存する「橄欖岩(かんらんがん)」を採掘し、その岩の特性を生かした製造を行っています。
「かんらん岩」は、本来地球上に存在しないもので、2つの大陸プレートの衝突により、地下深部に存在する上部マントルが地表に出現した岩石です。「オリビン」と呼ばれ、マグネシウムの含有量が多く、硬質で耐火性に富んでいます。
世界各地で同じようなものが存在しますが、ここの岩石のように変化していないものは大変珍しいとされています。地球の自然の営みを研究するには、ピカイチの場所です。外国の研究者が常時訪れています。
途中で見えてくる、石を敷き詰めた場所が「干場(かんば)」と呼ばれ、昆布を干す場所です。石はかんらん岩を敷き詰めています。なぜなら、かんらん岩が、超塩基性岩なので草が生えにくいこともあり、また、比重が重いので、風が強くても飛ばないことから使われています。
この先、冬島の海岸が見えてまいりますが、この辺はふのりが沢山採れる場所になっています。冬島の昆布はトップクラスの昆布です。

▶ アポイ岳ジオパークビジターセンター
アポイ岳ジオパークビジターセンターは、様似町の地形・地質、自然、歴史・文化・産業に関する展示や映像が紹介されています。

日高山脈は、約1,300万年前に、2つの大陸プレートの衝突によってできたもの。衝突の際に、地殻の下にある一部が突き上げられて、地上に現れたのが幌満かんらん岩体で、それがアポイ岳となっています。
アポイ岳ジオパークには、プレート衝突やマグマが冷えて固まってできた奇岩類などが多数存在し、風光明媚な景観が広がっています。
さらに、その特殊な土壌条件によって、低標高ながら高山植物が生育し、国の特別天然記念物に指定されるほど貴重な生態系が残されています。

館内案内は、学芸員・加藤聡美さんです。

▶ 貴重なかんらん岩



アポイ岳の不思議な植生についての説明は、学芸員・田中正人さん。
低山に咲くアポイ岳だけの高山植物、日本で一番早く、一番長く咲くアポイの花など、珍しい植物が沢山息づいています。

▶ アポイ岳に生きる小さないきものたち:エゾナキウサギ


アポイ岳ジオパークの魅力を思う存分満喫した後は、宿泊先のアポイ山荘へと向かいます。

▶ 町長がバスガイド等・関連記事
・えりも町長・様似町長編 〜 No.1:総集編(2018年4月11日)
▶ バスツアー・シィービーツアーズ
・ホームページ・バスツアー「旅する」
・Facebook「シィービーツアーズ(北海道中央バスグループ)」
☆ noboru & ikuko
様似町
役場:北海道様似郡様似町大通1-21
Tel:0146-36-2111
【面積】364.3 km2
【人口】4,352 人(2018.3.31)
【高齢化率】37.7 %(2017.1.1)
【ホームページ】様似町 HOKKAIDO SAMANI