蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)二十二候

2016年5月25日(水)

【5月20日(金)〜25日(水)】
二十四節気:小満・初候
七十二候 :二十二候・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)。
蚕が桑をさかんに食べ始める頃。

繭玉のように輝く、水田に映り込む満月のゆらぎ
繭玉のように輝く、水田に映り込む満月のゆらぎ

蚕は、卵から幼虫になり、桑の葉を食べて4回の脱皮を繰り返し、口から絹を出して繭(まゆ)を作り、その中で蛹(さなぎ)になります。2週間くらいで成虫(蛾)になり繭から出てきます。

成虫は、羽があっても飛べず、口が無いので食べず、交尾後、500個くらいの卵を産んで1週間ほどで死んでしまいます。

大昔より皇室で代々飼育されてきた特別な生き物であり、現在も皇居敷地内に『紅葉山御養蚕所』があり、皇后陛下がカイコのお世話をされています。

その中でも、「小石丸」という蚕の繭は、正倉院の宝物の織物の復元に使用されました。

蚕が吐き出す糸は、長さ1,200mもの絹糸になります。
白銀に輝き、しなやかで上品な光沢を放つ絹糸。。。

高貴な青・ロイヤルブルーに包まれて。。。
高貴な青・ロイヤルブルーに包まれて。。。

天の虫と書いて「蚕」。。。
蚕から紡ぎだされる絹糸は、まるで天からの贈り物・・・
もしかしたら、天使の羽なのかもしれません。。。

そんな貴重な絹を生み出す蚕の一生・・・
成虫になるための絹を吐き出し、
成虫になると食べず、飛ばず、
子孫を残して死んでいく蚕の一生・・・

そんな蚕の人生の奥深さを想う今日此の頃です。

☆ noboru & ikuko