2012年8月12日(日)
7月末、私達の中学時代の同級生ご夫妻が、父島在住の娘さんご夫妻と一緒に、北竜町・ひまわりの里に遊びにきてくださいました。
娘さんご夫妻の北海道旅行中、訪れた町のひとつが、上富良野町。「ネットで偶然見つけた1日1組限定の宿で、夜のピアノコンサートが素敵でした」という若いご夫妻のこの言葉に惹かれ、私達もネットで辿り着いた、上富良野町のお宿「トロルドハウゲン」。
外観
北海道のほぼ中央に位置する上富良野町、大雪山国立公園十勝岳連峰の懐に広がる丘陵地帯。
波打つような形状を成す付近一帯の丘陵地帯は、毎年、異なる作物が栽培され、咲く花の色の変化により、パッチワークの丘と呼ばれるほど、素敵な景観を織りなす。。。
JR富良野線「美馬牛駅」から車で3分くらいの所に位置する、なだらかな丘陵地帯。その丘に、宮﨑 駿さんの世界を想わせるような不思議な森が存在します。「トロールの森」、その森の中にひっそりと佇む小さな宿、「トロルドハウゲン」。
森を抜けてゆく、玄関までの小道には、チップが敷き詰められていて、ゆっくりと踏みしめていくと、土の柔らかさ、温かさ、森の香りが感じられる・・・。
真っ直ぐに聳え立つ木々の間に吊るされた白いハンモックが、風になびいて、ゆらゆらと揺れています。えんじ色に染まる可愛い家は、まるで絵本の中のワンシーンのよう。。。
素晴らしい景観
玄関のドアを入ると、吹き抜けの空間と床から天井まで繋がる大きな窓。ガラス窓の向こうに広がる風景は、遠くに大雪山連峰や十勝岳連峰の山々を望み、なだらかな丘陵地には、ビートやお豆の畑が緑の絨毯のように広がる。。。
素敵なご夫妻:堀内昭彦さん & みささん
期間限定、1日1組の宿「トロルドハウゲン」は、 素敵なご夫妻、堀内昭彦さん(51歳)& みさ(47歳)さん、お二人で営むペンション。
黒い毛を身に纏う猫のペチちゃんは、トロールの森の番人のような存在で、自然とその場所に溶け込んでいるかのよう。
午後4時、チェックイン後、ウェルカムドリンク(食前酒)のサービス。オレンジの酸っぱさが、旅の疲れを、ゆったりとほぐしてくれます。。。
1階や2階のサロンには、アンテークな家具・ソファー・置物に囲まれていて、まるで北欧のお宅へお招きされたような空間。。。
ソファーの傍の本棚には、さり気なく置かれている絵本や雑誌。ふっと見上げた瞬間、壁に飾られた素敵な絵画は、私の大好きな絵本作家「いせひでこ」さんの作品。
うっとりと魅了され、暫し感動に浸り、時は流れる。。。
感動冷めやまぬまま、午後6時、素敵なディナータイム
テーブルの上でゆらゆら揺れる、柔らかなキャンドルの灯火。
明るい空の色は、しだいに夜へと近づき、藍色が深くなり、闇の世界へと沈みゆく。
刻一刻と移りゆく、窓の外の自然界の風景画を眺めながら・・・
一品一品に、限りない愛とあたたかな真心が感じられるようなお料理の数々。
ディナー全体の流れが、ひとつの音楽作品を奏でているかのような、豊かで上品な味わいの演出。。。
心が和らいで、ほっこり、ゆったり、とろけそう。。。
1日目は洋食、2日目は和食で、野菜、お魚、お肉のそれぞれの素材が生かされ、変化に富んだ味わいを心ゆくまで楽しみました。
1日目:洋食ディナー・メニュー
・野菜のカナッペ
・パブリカのロースト サラダ添え
・いんげんとトマトのスープ プロヴァンス風
・真鯛のポアレ ラタトゥユ添え
・道産豚肉の赤ワイン煮込み 野菜ロースト添え
(ズッキーニ、ナス、アスパラ、コーン、シシトウ、
マイタケ、ミニトマト)
・自家製パン レーズン入り無発酵パン
(まわりがサックサックとクッキーのようで、
中はふんわり甘~い、不思議な味わい)
・デザート イチゴヨーグルトアイス ブラウニーの
フレッシュクリーム添え & 香り高い珈琲は、マイセン、
ヘレンドの素敵なカップで ♪
2日目;和食ディナー・メニュー
・前菜:オクラとコーンの和風ジュレ
(昆布やカツオ出汁のジェリーが、宝石のようにキラキラ ☆)
・ホタテの昆布ジメ アボガドディップと一緒に
・鱈の真蒸
・鮭のホイル焼き(タマネギ、ジャガイモ、オクラ、エノキ添え)
・上富良野豚肉の西京焼き
(西京味噌に漬け込むこと2日間だそうです。味噌のお味が
しっかりと染みこん美味しい!)
・ご飯と味噌汁 キュウリとナスの浅漬け
(ご飯は旭川産のお米を釜炊きで・・・ふっくらきらきら、
美味しいご飯に感激!)
・デザート ゴールデンキーウイのシャーベット バナナムース
・最終章は、お抹茶とお千菓子
添えられたお千菓子は、奈良県・萬御菓子誂處 樫舎(かしや)さん。
味わいが繊細で柔らかく、甘美な優しさに感動!
「実に、おいしゅうございました」。
ミニコンサート
グランドピアノが置かれた1階のサロンでは、
21時から、感動のピアノコンサート開催 ♪
夜の闇の中に灯されたキャンドルの柔らかな光、ピアノの美しいメロディー、そして清らかな歌声。。。
そこで繰り広げられていく世界は、 光と音が織り成す神秘的空間、心で描いていく絵画のような瞬間です。
奥様のみささんが奏でるピアノ曲は、ショパン、ドビッシー、リスト、中村由利子さん、渋谷牧人さん・・・
風と光と香りさえも感じられるような、優雅でなめらかなメロディー。
小田和正さんを想わせる、透き通るような声の持ち主は、ご主人昭彦さん。
ギターを片手に、みささんとのジュエットは、素敵なハーモニー。
数多いオリジナル曲の中から、数曲披露してくださった「愛の詩」に酔いしれて。。。この素敵な空間は、私達夫婦のために奏でられた、究極の贈り物。
なんとも贅沢で、有り難くも感動的な、ゆめ心地のひとときでした。
♡ ♡ ♡
朝食
トロルドハウゲンの朝は、焼きたての自家製パンから。ほかほか、ほんわり、パンの香りが広がります。
大きな窓からは、朝陽が差し込み、今日の富良野は天気が良さそう ♬
ミュージシャンであり、プロカメラマンの堀内昭彦さんとエッセイストである堀内みささんは、とても仲の良い素敵なご夫妻。
21年前、北海道上富良野の地に、アトリエ兼ペンションである「トロルドハウゲン」をスタート。お二人で、幅広いお仕事を展開されていらっしゃいます。
写真と文筆による雑誌の連載など数多く、月刊『婦人画報』、音楽雑誌・月刊『CHOPIN(ショパン)』、月刊『 PIANO(ピアノ)』、『猫びより』、絵本雑誌『MOR』、などなど。
これまでに出版された本は、
・『トロールの森から』・TBSブリタニカ出版(1999年発行)
・『ショパン紀行ーあの日のショパンが見た風景ー』・
東京書籍(2005年発行)
・『ショパンの世界へ』家庭画報特別編集(CD付き)・
世界文化社(2010年発行
・『ブラームスー音楽の森ーへ』・世界文化社(2011年発行)など。
溜息がでるような素晴らしい写真と素敵な言葉の数々で綴られている本たち。私達も早速、宿泊前に、購入し、拝見させていただきました。
沢山のお話の中で、これまでに築きあげてきたお二人の幅広い行動力は、人と人との素晴らしい繋がりと広がりを生み出しているように実感しました。
形を造ることだけに囚われず、心で物事を捉えて、想いを込めて表現し、一瞬一瞬を真剣に、真心こめて行動されていらっしゃるお二人です。お二人のお話を伺えば伺うほどに、音楽や写真に対する奥深さが伝わって、感動の連続でした。
「トロールの森」、この場所だからこそ味わうことのできる、「しあわせ」を心身いっぱいに感じることができた2日間でした。
たくさんの感動をありがとうございました。素敵なお二人に心から感謝いたします。
翌日の雨上がり、窓から臨むなだらかな丘に、大きく、くっきりとダブルレインボーの七色の輝き、トロールの森は「しあわせの森だよ」と語りかけているかのように。。。
ノルウェーを代表する作曲家、エドヴァルド・グリーグ。グリーグは、ベルゲンの自宅を「トロルドハウゲン」(トロルの丘という意味)と名付け、トロルにまつわる曲をいくつも作曲しています。
さまざまな絵本の中に登場するトロルは、妖怪にも妖精にも成り得る不思議な存在。そんなトロルは、自然を愛し、自然に敬意を示す人々の心に、「幸福・しあわせをもたらす」と伝えられています。
あなたの心には、どんな妖精・トロルが住んでいますか?
☆ いくこ&のぼる
トロルドハウゲン
北海道空知郡上富良野町里仁トロールの森
Telはこちらから >>
【チェックイン/アウト】 16:00 / 10:00
【宿泊した部屋】 洋室・ツイン(トイレなし)
【温泉/貸切風呂】なし / あり
【インターネット】未調査
【ホームページ】トロルドハウゲン