2017年5月12日(金)
3月頃に突然、髙橋武市さんからお電話をいただき、「婦人画報5月号に掲載されたよ」というお話。早速購入し、4月28日開催の新年会へ参加を申し込みをしました。
- 1 前夜祭での新年会
- 2 日本一変わっている花園「陽殖園」
- 3 陽殖園内案内開始
- 3.1 高橋武市さんのお話を伺いながら
- 3.1.1 星の花
- 3.1.2 エゾノリュウキンカ(蝦夷立金花・ヤチブキ)
- 3.1.3 タツタソウ
- 3.1.4 一面に咲く水仙
- 3.1.5 ツツジ(エゾムラサキツツジ)
- 3.1.6 武市さんとともに生き続ける松
- 3.1.7 ショウジョウバカマ
- 3.1.8 ユキワリソウ
- 3.1.9 樹木を伐採して積み上げ
- 3.1.10 娘十八のこぶし
- 3.1.11 ナラの木の原生林
- 3.1.12 カラマツ、トドマツ
- 3.1.13 木の健康を見極める武市さん
- 3.1.14 小学校4年生からの水くみ
- 3.1.15 ホテルの赤い屋根
- 3.1.16 黄色い水芭蕉
- 3.1.17 池と山を創り上げてきたオリジナル空間
- 3.1.18 ミニスイセン
- 3.1.19 雪割草
- 3.1.20 陽殖園メインスポット:エリカの山
- 3.1.21 人が馬鹿にすることをやらないと、話の種にもならないんだわ
- 3.1.22 種類の異なる水芭蕉
- 3.1.23 池の辺りを歩く武市さん
- 3.1.24 エゾサンショウウオの卵
- 3.1.25 菖蒲池は、6月の下旬に開花
- 3.1.26 あちこちにころがっている鹿の糞
- 3.1.27 白く輝く雪割草
- 3.1.28 しあわせの黄色い水仙
- 3.1 高橋武市さんのお話を伺いながら
- 4 ガイドツアーの最後に皆さんの質問に応えて
- 5 自由散策
- 6 その他の写真
- 7 関連記事
- 8 陽殖園(ようしょくえん)
前夜祭での新年会
髙橋武市さんの「陽殖園」は、毎年4月29日に開園。その前夜祭で新年会が開催されています。私達は初めて参加させて頂きました。
たきのうえホテル渓谷
陽殖園新年会
宴会を飾るお料理
新年会は、「たきのうえホテル渓谷」にて。武市さんを囲んでの楽しいひとときです。
この会に15年来毎年参加されていらっしゃる高井瑞枝 先生をはじめ、参加者10名の内、半数が東京から参加。『家庭画報』や『マイガーデン』などの雑誌社からも参加されていました。
楽しい会話
美味しいお料理と祝い酒をいただきながら、様々な話に花が咲きました。
特に武市さんが30歳代の頃、花の苗を販売して歩いていた時代に出会った社交ダンスのお話。最初は、行商の列車待ちの時間つぶしに見学しているだけでした。そのうちダンスの魅力に惹かれ夢中になり、地元でダンス教室を開いて教えるほどの腕前になったそうです。
日本一変わっている花園「陽殖園」
今年76歳の武市さん、中学2年生(14歳)の頃から、花の苗の行商を行いながら、約8万平方メートルの敷地をたったひとりで創り上げ、今年陽殖園は創立62周年を迎えます。
陽殖園は一部原生林が残っているだけで、全て武市さんお一人の手作り。リヤカーで土を運び、山や池を作り、木や花をひとつひとつ植栽して作りあげてきました。
開園の期間、春から秋まで絶え間なく、何処かしこで様々な花が咲き続け、訪れる人々を楽しませくれます。
陽殖園入り口
新年会の翌朝、8時半に陽殖園に集合。武市さんのガイドがスタートします!
陽殖園受付
受付で、記念すべき初日(4月29日)のスタンプが押された園内地図が渡されます。
陽殖園案内略図
陽殖園内案内開始
高橋武市さんのお話を伺いながら
「美しい花よりも、可愛くて、珍しい名前の花に惹かれるんだよな〜」と武市さん。白や紫の可憐な小さな花が、星のように散りばめられてさいています。
「枯れ葉が肥料になって、次の年の花を咲かせます。植物に肥料は与えません。陽殖園では、植物が勝手に生きていきます。人間も同じで、あまり美味しいものばかり食べていると、かえって病気になりがちなので、身体には粗食の方が健康的だよね」。
「自然を楽しむ人、一方、表面の美しさを楽しむ人との違いが、楽しみ方の分かれ道。陽殖園を訪れる人々は、自然の美しさを愛する人々であり、全体を理解できなくても、根本を本能(心)で感じ取ってくれる人々が、何度も訪れてくれますね。とにかく、根本は好きか嫌いかなんだよね」。
「甘ものが好きな人は、文句なく甘いものを美味しく感じるでしょう。嫌いな人は、匂いだけでも嫌だと感じる。理屈でなく、その人の好みで好き嫌いが判断されます」と武市さん。
星の花
エゾノリュウキンカ(蝦夷立金花・ヤチブキ)
タツタソウ
一面に咲く水仙
ツツジ(エゾムラサキツツジ)
大昔、60年以上前から、この地の存在します。
「今の時期の花たちは、女性に例えれば、目が覚めて起きたばかり。顔も洗ってないし、お化粧もしていない状態で、初々しい花ですね」。
「春のオープンから秋の終わりまで、何時来ても、花が無いことはなく、何かしらの花が咲いています。来る人は、訪れるたびに違う花を味わえます。ろくに花が咲いていない時は、話に花を咲かせます(笑)」と笑顔の武市さん。
武市さんとともに生き続ける松
この松は、樹齢60年。 昭和32年生まれの松で、武市さんが中学を卒業した年に誕生した松です。
「若い頃、海外の椰子の木のイメージが強烈でした。北海道には椰子の木はだめなので、イメージが似ている木を探している内に出会ったのがこの松の木。頭の中では、椰子の木をイメージして植えました」と、武市さん。
この陽殖園で、武市さんと共に生き、歩み続けている貴重な松です。
ショウジョウバカマ

「本当の花の美しさは、集団の中では見えないが、集団から離れている所に存在すると引き立つものです。人間もしかりで、群衆の中では、美人であっても目立たないが、遠くにひっそりと佇んでいるのを見ていると、その美しさがひときわ輝きます」と武市さん。
ユキワリソウ
樹木を伐採して積み上げ
冬の間、武市さんが芯が弱ってきた木を見つけ伐採し、積み上げていきます。さらに、来訪者が歩きやすいように道を整備します。

娘十八のこぶし
「このこぶしは、娘で言えば18歳。『娘十八、番茶も出花』のお年頃です」。
「風景として全体を見れるように作ってあります。遠くを見たり、上を見上げたりして、風景を楽しんでください」と、武市さん。自然の中に溶け込んでいくような風景を味わい楽しみながら散策していきます。
ナラの木の原生林

カラマツ、トドマツ

木の健康を見極める武市さん
「外側から見ると普通だけど、伐採してみると中が腐っている樹木。中で柔らかく、弱っている樹木。そのままにしておくと、強風のときに倒れて危険なので伐採します。
長年見ていると、弱ってきている木は、木肌や枝ぶりなどで見分けることができるようになります」と樹木の生命力を熟知している武市さん。

小学校4年生からの水くみ
「小学校4年生の頃から水くみした場所。ここから家まで、雨の日も雪の日も毎日水を運びました。そのお陰で足腰が丈夫になりました、そして、足腰だけでなく、根性も鍛えられたので、今があるのです」。
「冬の吹雪の中、しばれてツルツル滑る中を水くみをするのは、それは大変だよ。雪が降り積もる中での水くみは、過酷なんてもんじゃないからね。
厳しいからといって、やらなくていい、ということはできない。飲む水をくみ、家族のために運ばなくては、生きて行けないわけだから、文句もいえないし、必死でやってきました。
面白くないから、身体の調子が良くないからといって、水をくまないわけにはいかない。家族が生きるために何が何でもやらなければいけない。だからこそ、身体も精神も鍛えられたのです。
小学校4年生から中学校3年までの一番の身体の成長期に身体と心を共に鍛えられました。この経験があったので、今の仕事は、どんな大変なことでも当たり前にこなせます」と語る武市さんの人生の基本がここに存在します。

草木にも艶やかなものもありますが、この山桜は、小さくて、可愛い感じの花。豪華じゃないんだけど、可愛いねぇ〜。
人間でも美人もいれば、可愛い女性もいます。可愛い方が好きですね。可愛いことが、一番人間の心を引きつけるものです。
普通は艶やかな方に、惹きつけられるけれども、可愛いのは、それとは違う魅力を持っていて、心を引きつけるものがあります。説明のしようがないほど可愛いですね」と、小さな可愛い花をこよなく愛する武市ワールドです。
ホテルの赤い屋根
黄色い水芭蕉
珍しい黄色の水芭蕉が咲いています。

「動物は、本能的に毒を嗅ぎ分けているので、毒性の植物などは食べない。毒性を見分けられないのは人間だけです」。
池と山を創り上げてきたオリジナル空間
「この川を大きく見せるために、小さな水仙を植えました」。
ミニスイセン
「人間の都合に合わせるのではなく、植物の性質を見極めて、よく調べて、自分の好みと組み合わせていきます」。
「同じ山の中でも、場所が違うと気温も違うので、同じ植物でも場所によって咲く時期が異なります」。
「植物によっては、20年経っても咲かず、24〜25年経ってからやっと咲きだすものがあります。私は、生涯ここで造園を行っていこうと思っているので、10年先、20年先の事を見越してやってきたことが、現在を作っています。将来の姿を考えて、山全体を設計していく所が、陽殖園の最大の特徴になっています」と語る武市さんです。
雪割草
陽殖園メインスポット:エリカの山
人が馬鹿にすることをやらないと、話の種にもならないんだわ
「この山は、一輪車で2年かけて積み上げてきた山。ある程度積み上げたとき、親父の『何やるんだ?』という問いに『山作るんだ』と答えると、『ばっかやろう! 山の上に山を作るバカがいるか!』と怒鳴られた。
自分は人に迷惑もかけていなし、自分の思いがあってやっていることなので、満足のいくまで積み上げていきました。その結果、現在ではこのエリカの山が、この園の一番のシンボルになっています。一番バカにされたところが、一番のアピールポイントになって存在しています」。
「人が馬鹿にすることをやらないと、話の種にもならないんだわ」と語る武市さん。
種類の異なる水芭蕉

池の辺りを歩く武市さん
エゾサンショウウオの卵
「透明なゼリー状のコイル形の塊は、エゾサンショウウオの卵。この卵を見つけると、1週間から10日の間に山桜が咲き始めます」
菖蒲池は、6月の下旬に開花

あちこちにころがっている鹿の糞

白く輝く雪割草

しあわせの黄色い水仙

ガイドツアーの最後に皆さんの質問に応えて
Q.所々にある赤いリボンは何ですか?
A.あれは、俺と♡を結んだものだよ。俺だけがわかる目印!
Q.将来描いている構想(目的)は?
A.これからの目的は、中身を充実させていくことです
「何度も訪れる人達は、『ただいま〜』といって、自分の庭のように思い、たっぷり楽しんで帰ります。再訪者は、ここへ来たくてきているので、心が通じ合えば、親戚以上に親しくなることがあります」。
「自分自身が楽しみながら仕事ができることが、『人生の豊かさ』だと思っています」と、楽しむ心が、心の豊かさそのものであることをお話くださった武市さんです。
自由散策
この後、受付所に戻り、熊よけの鈴が渡され、自由に午後2時半まで散策が可能です。

太陽が育てる自然の園「陽殖園」。
生きとし生けるものの生命の循環、
すべての生命が、補い合い共存していく、夢の園「陽殖園」。。。
植物が色鮮やかに輝き、空気が澄んでいて、清々しい空間、
心も身体も、限りなく癒される、至福のパワースポットに、
大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。
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その他の写真
関連記事
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✧ noboru & ikuko
陽殖園(ようしょくえん)
北海道紋別郡滝上町あけぼの町
Tel:0158−29−2391
(お問合せ電話はできるだけ21:00から21:30にお願い致します)
【営業時間】4月下旬〜9月最終日曜日まで
【定休日】 期間中無休
【駐車場】 十数台分あり
【参考ページ】滝上町HP・陽殖園