2018年7月2日(月)
第71回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムドールを受賞した是枝裕和監督の映画『万引き家族』。
血のつながりのない6人の家族の在り方、絆を描いた作品。

高齢の初枝(樹木希林)の年金をあてに、日雇い労働者の治(リリー・フランキー)、工場で働く信代(安藤サクラ)、女子高生の風俗店でお小遣いを稼ぐ亜紀(松岡茉優)、そして祥太(城桧吏)、りん(佐々木みゆ)がボロボロの平屋で暮らす。足りない生活費は、万引きをしてまでも。。。
万引き、児童放棄、家庭内暴力、労災事故、雇い止め、年金不正受給などなど、現代日本社会に存在する惨憺たる世界が淡々と描かれています。
血縁関係のない家族が、貧困の中で過ごす生活空間に、暗さというよりは、あたたかな情が流れているのは何故なのか。。。
縁側で花火を家族みんなで楽しんでいる時、信代がりんを抱きしめるシーン、海水浴場へ全員で小旅行へ出かけた日、海岸で戯れる様子を見つめながら、初枝が穏やかな微笑を浮かべながら、つぶやくシーン・・・様々なシーンの中で感じる、温かな感情とは。。。
ひとつの家で生活を共にする「家族」の絆とは?、存在感とは?
現代社会への様々な問題提起、人間の絆、繋がりなどについて、じっくりと考えさせられる映画です。
☆ noboru & ikuko